宝飾品の値段はどうやって決まるのでしょう。
ものの値段はなににしてもそうですが、さまざまな経費が含まれています。
宝石も考えてみれば最初は地面の下に埋まっているものです。
考え方によっては「もとはただ?」という考え方もできます。
しかし、宝石を掘り出すのにどれだけの労力が必要なのでしょうか?
宝石の中で、圧倒的に生産量が多いダイヤモンドを例にとって見てみましょう。
ダイヤモンドは、10tトラック十台分の岩の中から1ctの(0.2g)のダイヤモンドが採れれば立派な鉱山です。
100tの岩の中にたった0.2gですよ!
考えただけでも探すのは気の遠くなるような作業です。
ロシア、オーストラリア、南部アフリカの各地などが主な生産地です。
さぁ!原石を見つけました。
今度はカットします。
ひとくちにカットするといっても世の中で一番硬いものですからなにで切るのでしょうか?
ダイヤモンドはダイヤで切ります。
ダイヤモンドの粉のついた工具を使い、その原石の形から、一番そのダイヤが美しくかつ大きくとれるようにカットします。
これには熟練の技が必要です。
大まかにカットするのは衝撃の力を使って割るのですが、一歩まちがったらその石は粉々になってしまいます。
今度は大まかにカットできた石の各面を磨きます。
ひとつの面を切り取るのに何時間もかかることなど、ざらにあります。
このようにしてダイヤモンドはカットされます。
ここまでの段階で、ようやくただの石が、光り輝く宝石としてのダイヤモンドになります。
そして輸入されます。
日本にはダイヤモンドの鉱山はありませんので、ダイヤはすべて輸入されるわけです。
宝飾用ダイヤモンドはその生産量の半分以上がイギリスのデビアスで販売されています。日本の会社ではデビアスのサイトホルダーになっている会社は1社しかありません。*1
その後、ダイヤ輸入業者の手を経てメーカーに渡ります。
デザインされ、枠に留められ、ようやく製品になるわけです。*2
この後、国内の流通のルートにのせられるのです。
製品になるまでだけでも、これ程の手間がかかっています。
むしろ、このあとの流通販売に関わる手間(経費)の方が大きいかも知れませんが・・・。
このようにして、宝飾品はつくられます。
しかし、他業種に比べ粗利の高い業界であることは間違いのないでしょう。*3
高額であり高級なものを販売するためには金をかけなければ売れないという意見もあります。
確かに、高級品を道端でござをひいて売っていても売れるものではありません。
高価なものを買うときは人間誰しも優雅な気分で買い物をしたいものではないでしょうか。
そんな雰囲気作りにもお金をかけているお店は多いものです。
反面、安さを売りにするお店もあります。
高級感はそれなりに、コストを抑えて少しでも安く販売する。
実際に一般店より安い店もあれば、中にはイメージ先行であまり安くないお店もあります。
玉石混沌としたこの世界、宝飾品の価値を決めるのは消費者であるあなたです。
ただ、あなたの手に渡るまで長い間、さまざまな人の汗と知恵や工夫が込められた宝飾品です。
思う存分にかわいがってあげてください。