ミラクルパスポート
- 2006/01/01 03:08
- カテゴリー:旅
一緒に仕事をしている仲間から「パスポートが取れました」とメールがきていました。
彼は、この秋、初めて海外旅行に行くのでパスポートを取ってきたそうです。
日本人は意識していない人が多いけど、日本のパスポートは世界中で最も使いやすい旅券だと思います。
形とか大きさの話ではなく、最も多くの国に最も少ない手間で入国が可能です。
もちろん、査証(ヴィザ)免除国も最も多いでしょう。
世界の平均から考えたら小金持ちが多く、また、世界中の国の中で最も敵が少ない国ですから。(ここ数ヶ月で小泉政権は多くの敵を作りましたが・・・。)
以前、宝飾品メーカーの営業をやっていた頃、メーカー協賛の「海外旅行ご招待キャンペーン」を年に何回かやっていました。
そんなキャンペーンの最中のあるお客様の話です。
彼はパチンコ店を数店舗経営している方で、その奥様が宝石好き。
彼に「カナダ旅行に行きましょう」と誘い、奥様は旦那様公認で高価な宝石を手に入れることに成功。
旅行はもちろんご夫婦共にご招待です。
ところがそこから先が大変。
奥様は日本国籍ですが、彼の国籍は北朝鮮なのです。
(もちろん事前に北朝鮮国籍でも査証取得可能を調べてから誘っています。)
彼は戦後ずっと日本に住んでおり、どこから見ても完璧な日本人。
朝鮮戦争が終わった後、韓国籍にするか北の国籍にするか迷ったそうですが、やはり自分の親類の住む北の国籍を選んだとか。
人と人の付き合いであれば国籍や人種なんぞよりも人格が最優先されるのですが、国と国の付き合いとなると事情が違ってきます。
バンクーバーの入国審査では彼の番になるとブースの上の赤いランプが点灯し、係員が数人集まり、彼を取り囲む。
もちろん事前に査証を取得していますし、問題になるようなものはまったく持っていません。書類も全てそろっている。
(査証を取るにも上野にある某北朝鮮系の旅行会社に依頼して、ようやく取得。そんな仕事も営業マンである私の仕事でした。)
あーでもない、こーでもないの押し問答の末、入国できたのは1時間半後。
北朝鮮の旅券で西側諸国を旅することの大変さを思い知らされました。
これは極端な話かもしれませんが、アメリカやイギリスの旅券でアラブの国々を旅行するのは大変ですし、途上国の旅券だと不法就労と思われビザすら下りないことも多い。
現実にフィリピン国籍の多数の人は日本の査証を(観光ヴィザでさえ)却下されていますし、カンボジアの多くの人は米国の観光ヴィザを取得するのに大変な苦労をしています。
赤い小さな「日本国旅券」。(5年物は紺色でしたっけ?)
世界の人口比で言うと64人にひとりしかもてないミラクルパスポートなのです。
是非とも有効に使いましょう。