野尻湖クリーンダイブ紀行
- 2011/09/06 00:03
- カテゴリー:ダイビング
先日の土日で長野県の野尻湖のクリーンダイビングに参加してきました。
文字通り、湖底を清掃するダイビングです。
主催は社団法人 レジャー・スポーツダイビング産業協会(以下JRDA)という団体で、ここ数年の過去実績では年15回から20回余りのクリーンダイブを実施しているようです。
先日、この団体を知り、サポーターとして入会。(よく一緒に潜るバディの紹介です)
今回の野尻湖クリーンダイブに初めて参加してきましたのでリポートします。
(ナウマン像の化石が発見された野尻湖ですが、今回は発掘ツアーではありませんでした。残念!)
通常は現地集合、現地解散らしいのですが、東京から野尻湖は遠い!ということで、品川からの送迎バスが用意されていました。
参加者は朝7時半に品川駅に集合して、あとは観光バスでくつろいでいる間に野尻湖に到着!
ちょうど台風が来ているということもあって、道はガラガラ。
今回の台風は大型で強い勢力ということもあり、関西方面では大きな被害が出ていました。
そんな大きな台風が来ていても湖は割りと静か。時折、さざなみが立つ程度です。
(海はうねりがひどく、かなり離れた海域でもクローズになっていた様ですが、海況不良の際は湖でのダイビングというのも良いかもしれませんね。ただ、漁業権の関係で潜れるスポットは少ないですが。)
野尻湖にはお昼ごろ到着。
着いたら、まずは腹ごしらえ。お宿で昼食を取りました。
その後、タンクとウェイト、ヘルメットが貸し出されて、小雨の降る中、器材準備を行う。
淡水ダイビングはご存知のとおり、浮力が海水より小さいため、ウェイトは少なくて済む。
私の場合、体脂肪率は高いのだが、ウェットスーツが古くペシャンコ(涙)なので、淡水の場合はウェイトなしで潜れる(笑)身軽で楽チンなのだ。
ブリーフィング後、船へ乗り込む。
地元漁協の全面協力の下、地元のテレビ局の取材なども来ていました。
漁協の船で清掃ポイントまで移動。
水深は5~10m程度。潜水時間は40分程度を目安として最大でも1時間。透明度は5m程度と割と良いので、リラックスして潜れそうです。
開催場所によっては10~50cm程度の透明度ということもあるそうで、その場合は、バディとの連携は困難になる。
10cmというと、私も以前経験がありますが、自分のダイコンの表示を見るのも困難です。
ゲージなんか、マスクにくっつけてライトを当てないと見えないし。
上下左右もわからないので、泡の行方を追って上下を知ることになる。(ま、ナイトダイビングもおんなじですが。)
そんなダイビングでは、各自「自分の身を自分で守れる人」というダイビングスキルレベルが参加条件となってくる。
潜ってみると、湖底にはソフトルアーが多い。(野尻湖はバス釣りのポイントです。)
そこかしこに白いウネウネとした巨大な幼虫みたいのが落ちている。
頭にジグヘッドが付いているものはその重さで湖底から白い幼虫が生えている様に見える。
異様な風景だ。
拾う、拾う、ゴミを拾う。
空き缶、空き瓶、ソフトルアー、ソフトルアー、空き缶、ソフトルアー、拾う、拾う。
ペットボトルは思いのほか少ない。水に浮くからかもしれない。
大きなものでは古タイヤが多い。
湖底と言っても、浅場の岸や船着場周辺にあるわ、あるわ。
2日間で全体で40本以上引き上げたのではなかろうか。
どこの湖でも似ているところが多いと思うが、湖底は泥である。
フィンキックで巻き上げちゃうと視界はあっという間にゼロになる。
ましてや着底してしまうと泥が大きく巻き上がる。
海であれば流れがあるので、しばらく待っていると視界は晴れてくるが、湖は流れがないため、一度、泥が巻き上がってしまうと、ちょっとやそっとでは視界は晴れない。
なので、巻き上げないことが大事。
自分も困るし、周りの仲間を危険に陥れることにもなってしまう。
ということでどうするか?というと、フィンキックは基本は「あおり足」。
湖底周辺でバタ足をしてしまうとどうしても巻き上がってしまうので、ひざを曲げて足を上に突き出すかたちであおり足をする。
前後、左右への移動はこれでOK!
前後左右よりも、上下の移動が泥を巻き上げやすい。
なので、上下移動は浮力を使って調整するのが一番良い。
中性浮力(無重力みたいな感じ)を取っていて、息を吸えば上に上がっていくし、息を吐くと沈んでいく。
その加減で上下の調整をするのが巻き上げ防止には一番良い。ゴミ拾いと一言に言っても、奥が深いのだ(笑)
面白いと思ったのは、常連さんとの話をしていると、皆、目がハンターなんですね。
どれだけ大物のゴミを見つけて引き上げたか?というのが一種のステータスなのだ。
こりゃ、面白い!はまります。
僕は今回、ドラム缶は見つけられなかったけど、古タイヤ数本と大型のキャンプ用折りたたみ椅子、大鍋、大型のタモ、3m位の巨大なプラスチック製ネットなどを引き上げました。
プラスチックのネットは重くて引き上げられず、陸上サポートの方からロープを受取り、湖底で巻きつけ、引き上げていただきました。
他にも両手で持てるように取っ手の付いた大型のバッテリーも発見したのですが、結局、自分ひとりでは引き上げられず。。。
ロープを使うには桟橋から遠すぎて、BCの浮力の限界を超えており、フロートでも持っていれば持ち上がったかもしれないのだが、ナイフとライト位しか持っておらず、断念。
後で、回収したゴミを背景に記念撮影をした際、そのバッテリーが引き上げられており、悔しい気持ちになりました(涙)
次回はフロート必携です。
そのうちエアリフトなども持ち込んでやろうと密かに企んでおります。
2日間、のべ40名で引き上げたゴミは1トン弱。
ゴミを背景に記念撮影です。
今回の交通費とか宿泊代、タンク代などをスポンサーとして負担してくださっているそうな。
日本釣振興会自体は、主に釣り関係のメーカーさんからの寄付によって成り立っているということで、ソフトルアーや釣り糸を販売した利益で、ソフトルアーや釣り糸のゴミを回収しているのでした。
JRDAの資金は、昔は水産庁からの予算があったようですが、昨今の事業仕分け?(もっと前から?)の削減要求などもあり、現在は上記のような寄付に頼っているとのことでした。
JRDAでは、あちこちの湖や海、川の清掃や、沖縄周辺では珊瑚の植苗も行っています。
興味のある方は下記Webサイトをご参照くださいませ。
http://www.diving.or.jp/
私も(俺も)サポーターになりたい、という方はこちらから申し込みができます。
http://www.blue-eco.jp/
ただし、水中でも自分のことは自分できるダイバーが条件だと思います。
ガイドのお尻ばっかり追いかけるファンダイブに飽きた方、普通のダイビングポイントに飽きた方、真っ暗で上下左右が分からない状態でもパニックにならない方が、対象になると思います。
単なるゴミ拾いと言っても、あなどれない。
いかに大物を見つけて、引き上げるのか?
面白いです!是非、ご一緒に!