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気に入らない世界地図

  • 2011/05/24 07:15
  • カテゴリー:教育

トイレに世界地図が貼ってある。
毎日、毎日、トイレの中では、その世界地図を眺めています。

縁には地図を囲う様に各国の国旗が描かれている。
「こんな地図、子供の頃も眺めていたなー」と思って眺めていると何かが違う。
「何が違うのだろう」と考えていたら、今朝突然、記憶が閃いた。

順番が違う。
国旗の並んでいる順番が違うのだ。
現在、我が家のトイレに貼ってあるダイソーで購入した世界地図には、右上から時計回りにぐるっと1周、国名のあいうえお順に国旗が描かれている。
なんぢゃこりゃーー?

ダメでしょ。こんな順番で並べちゃ。
国旗は地域別に並べなきゃ!
上と右上はアジア、右下が中米から南米各国、下はオセアニア、左下はアフリカ諸国で左上がヨーロッパ。
昔の僕の家のトイレに貼ってあった地図は、間違いなくこの順番だった。

ノルウェーとデンマークやフィンランド、スウェーデンの国旗は、並べてこそ面白い。
(仲悪いのに、本当は仲良しなのね?とか思っちゃう。)
アフリカの国々の国旗の特徴は?
英国の国旗が含まれている国旗ってどの辺に多いの?
縦3色 or 横3色の国旗が多いのは、どこら辺の国々?
って、50音順では、そんなことに自然に気付くことも有り得ない。

そもそも50音順にする意味とは?
国名から国旗を探すなんてこと、そんなにあるのだろうか?
だいいち、目の前に世界地図があるのだから、場所別でも何ら困らないと思うのだが。

では、50音別で探してみよう。まずは日本から。
日本はどんな読みで探す?ニホンなのか?ジャパンなのか?
ジャパンじゃなくて、ニホンなのね。あった。あった。

お隣の北朝鮮を探したが見つからない。そっか、国名は朝鮮民主主義人民共和国か。
あったあった、北朝鮮。
チュニジアの隣にあった。
これって、韓国の隣にあった方が便利ぢゃね?

じゃー、今話題のリビアも正式名称で引かないと駄目なのかな?
そんなこたーない。通称のとおり、リビアで出てくる。
(正式名称は「大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国」)

リビアの国旗は、もっともアフリカらしい国旗だ。
なので、子供の頃から絵柄は憶えていた。
なんせ、緑一色。

これはこれで、強烈な個性を主張している。
アフリカ諸国の国旗は緑を使ったものがやたらと多いのだが、国土に緑が多いことと、どっかで繋がっているのだろう。

地域と色というと、ラテン系の国は黄色とか赤を良く使う。
南太平洋諸国は圧倒的に水色が多い。
ヨーロッパは何故か3色の国旗が多い。

なんつーことも、50音順の地図では、自然には気付けないのですよー。

この世界地図、気に入らないな。。。

徹底図解 世界の国旗―国旗の由来・配色の意味から、正しい比率と色まで
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福島第一原発で何が起きているのか?を、できるだけ簡単に説明してみた。

  • 2011/05/09 21:49
  • カテゴリー:原発

なんだか、Twitterなどを眺めていると、いろんな言葉がごっちゃになっている様な気がするので解説します。
「メルトダウン」「臨界」「核爆発」「水素爆発」等などの言葉が、混同されている様に思うので、それぞれの言葉を整理してみます。

まず、メルトダウンは日本語で言うと「核燃料の溶融状態」を指す。

核燃料はそれ自体が中性子を出し、その中性子が当たった周りの核燃料は、さらに核分裂を起こし、中性子を出す。
核燃料の詰まった燃料棒が原子炉には何本も刺さっているようなイメージ。
この燃料棒と燃料棒の間に、制御棒を入れることによって、発生した中性子を間引き、燃料の核分裂を制御している。
制御棒を燃料棒の間に差し込むと核分裂が抑えられ、抜くと核分裂が激しくなる。
それが原子炉の制御の仕組みだ。

その仕組みが何らかの理由により壊れると、例えば冷却水がなくなって冷却されなくなると、燃料棒は自分自身の熱で溶け始める。
炉の底に溶けて流れ落ちた燃料は、制御棒を間に挟んでいないことになり、底に溜まった核燃料が一定量を超えると放置しておくだけで激しく核分裂を起こす状態となる。
この核燃料が炉の中で溶けて流れ出している状態がメルトダウンだ。

公表されている情報によると、福島第1原発の一部の原子炉では、今、まさにこの状態となっていると思われる。
(当初報道からこのブログアップ時点まで、ニュース等ではメルトダウンという言葉は使われていなかったが、事故当初から「燃料棒が冷却水から露出しており、一部損傷している。」と報道されており、言い方を変えれば「メルトダウンを起こしている。」と同義語だった。2011/05/16追記)

そして、臨界というのは、どの様な状態だろうか。
核燃料が自然に崩壊し、その時に発する中性子が周りの燃料にぶつかり、ぶつかった核燃料はさらに核分裂を起こし崩壊していく。
核燃料の量が少ないと、自然に放置しておいても核分裂は次第におさまっていくのだが、プルトニウムの場合で16kgを超えると、激しく核分裂が起こり、核分裂が次の核分裂を起こす連鎖反応が起こる。
連続的に核分裂が続き、激しくなっていく状態を、臨界状態という。

今回の原子炉事故でも、この臨界状態を避けるために懸命の冷却作業を行っている。
冷却作業ができないと、燃料棒の温度が上がり、さらにメルトダウンを起こし、炉の下部に溜まった核燃料が一定量を超えると臨界状態となり制御不能となる。

チェルノブイリではこの臨界状態となり、しかも長時間露出したままの状態が継続された為に被害は広範囲に広がり悲惨な状況となった。
福島第1原発は燃料棒の臨界量に達する損失を食い止めるために、今日も必死に冷却水での燃料棒の冷却を続けているところだ。

臨界状態となってしまった場合、連鎖的に核分裂が進み、制御することは非常に困難になる。
中性子が爆発的に飛びまくり、人が簡単には近づけない状態となってしまう。
爆発的に、という言葉を使ったが、核爆発を起こす訳ではない。

核爆発というのは、核爆弾という特殊な構造の中で瞬間的に核分裂を起こさせることで起きるもので、メルトダウンや臨界によって起こるものではない。

福島第1原発で起きた何度かの爆発は、核爆発ではなく、水素爆発だ。
この水素爆発は、燃料棒を包んでいるジルコニウム合金が損傷し、水蒸気と反応することによって発生する水素が爆発したもので、この爆発自体では放射線は発生しない。

ただ、爆発の衝撃によって、建屋が壊れたり、その他の設備を破壊してしまうので、建屋内に溜まっていた放射性物質が飛び散ったり、冷却が予定通り行えなくなるなどの影響が起きた。

水素爆発という言葉で、水素爆弾を連想する方もいる???かもしれないが、水素爆弾は構造が根本的に違います。
巨大な球の周りに核爆弾を仕掛けて、その圧力で中心部に核融合を起こす仕組みなのが水素爆弾だ。
水素と酸素の混合気体が爆発するのとはわけが違う。

原子力発電の安全神話が崩れたとか、いろいろ言う人はいるけども、人の作ったものは必ず壊れる。
事故は減らすことはできるけど、なくすことはできない。
めったなことで、僕は絶対という言葉は使わないが、人の作ったものはいつかは絶対に壊れる。

悔やまれるのは、なぜ、一か所にまとめて作ってしまったか?だ。
そして、なぜ、地震の起きやすい場所に作ってしまったか?だ。

いずれも答えは同じ。

地域住民を説得できた場所に作ったから、ただそれだけ。
そこがたまたま、地震が起きやすくとも、他に作る場所がないので、そこに作る。

そして、地元も核施設を受け入れることで補助金として百億単位の金を得る。
一度見た夢は忘れられず、2号機、3号機・・・7号機、8号機を誘致することになる。
詳しくは過去ブログをお読みください。

今はただ、過去の事をとやかく言うよりも、ひたすら臨界事故を防ぐことが先決だ。

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爽快な気持ちを期待していたのかもしれない ~震災ボランティア体験記~

ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか?

私は東日本大震災の災害ボランティアに参加してきましたのでご報告。

同行の面々は、次の通り。
まず最年少は、無口なダイバーでもある高校2年の柔道部員。
次にRock balancing artistでもある小説家のちとく氏。
最年長は(といっても僕の2歳年上だが)数か月前に沢登りの途中に事故に会い、背骨を折って瀕死の重傷から復帰したばかりのエレベータ施工会社社長でもある僕にとっては山の師匠。
それから私の合計4名。



車には20リットルのガソリンと簡易シャワーを積み込み、いざ出発。
日帰りということもあり、被災地は東京から近い福島県いわき市を選択。
Google先生によると、いわきには3つのボランティアセンターがあり、いわき中央が最も大規模らしい。
当初は、勿来ボランティアセンターを選択肢に挙げていたが、ブログを読むと受付30分後には締め切るなど、多数のボランティアが来ているらしい。
そんな情報があったので、いわきの3つのボランティアセンターの中では最も小規模な小名浜に目的地を変更する。

ボランティアセンターの駐車場として指定されている小名浜市民会館を目指す。
東京からは2時間とちょっと。
常磐道は少し波打っているところもあるが、概ね順調。
いわき市に入ってからの一般道は、ところどころ、アスファルトが隆起や沈下して波打ってしまっているところがある。
木村家の10年物のトヨタ車はサスペンションがへたってしまっているので上下動をする度に車体がガツンと音を立てる。(車が壊れるー)

小名浜市民会館にはボランティアと思われる方々が、何台か車を停めている。
長髪の頭にタオルを巻き、長靴姿の若者達。
我々も着替える。

受付すると自動的にボランティア保険に加入することになる。
ボランティア本人に料金はかからない。
説明がなかったのでよくわからないが、国か県か市か、あるいはボランティア団体が負担しているのだろう。
保険証を見ると期限は来年の3月末までとなっている。「また来てね」ということだろうか。

オリエンテーションでは簡単な注意事項を説明される。
「予定の作業以外を依頼されたらスタッフに相談しなさい」とか、「場所によってはアスベスト等もあるので車に戻って昼食をとった方が良い」とか。
10名ずつのグループに分かれ、活動する。
各グループごとにリーダーを決めて、連絡事項等はそのリーダーを通して全体に伝えられる。合理的だ。

我々のチームは田んぼの瓦礫除去の仕事をすることになる。
ここで、最年少の無口の柔道部員は僕らとは別チームになり、別れ別れとなる。
後で聞いたところによると彼は別の場所で砂を掻き出す作業チームに配属されたらしい。ひたすらスコップを使っていたようだ。

小説家と奇跡の生還を果たした山の師匠と私の3人は小名浜マリンタワーにほど近い田んぼに移動する。
ここでは3チーム合計30名が瓦礫の除去をする。
ちょうど田んぼも3枚なので各チーム毎に割り振って除去開始。

大きなモノや重たいモノの移動には、男の人手が必要なので、その場合はチームを超えて合同で作業をする。

様々なものが田んぼに突き刺さっている。

幼稚園の大きな棚には、ひらがなで子供達の名前が書かれている。
この棚がここに流されてきた当日、園児達の荷物がそこには入っていたはずだ。
近くには、紙芝居の絵の切れ端も泥の中に埋まっていた。

小学校の何かの大会の優勝盾が割れている。
泥で洗われたぬいぐるみ。
ステンレス製の3×5m四方もある大きな生け簀が逆さまになって泥の中にめり込んでいる。
4人がかりで起こし、15人がかりで道の向こう側の持ち主の家の庭に運び込んだ。
屋根だったのだろうか、トタンの付いた材木だとか、家の構造物と思われる太い柱も、この田んぼに流れ着いている。

作業には危険も伴う。
家の構造物と思われる太い柱が組み合わさった瓦礫を10名以上で運ぶ際、僕は誤って材木の隙間に指を挟んでしまった。
「いたたたた!」という僕の声に周りが気付き、斜めに歪んだ材木から力を抜いてくれたから助かったものの、そのままあと数センチ力が加わっていたら、僕の左手の人差し指が切断されていた。
(ま、そのための保険か。)

幸いの好天に恵まれ、むしろ暑い中、作業を続ける。

その中での、日本人らしい会話。
「どのレベルまでごみは拾いますか?」という質問に「通常田んぼにないと思われるものは拾ってください」という回答。
つまり、小枝はそのままで、発泡スチロールや建材の石膏ボードなどは除去せよ、という意味だろうか。

瓦礫除去も日本人品質だ。数時間後には、見事にそれが現実世界に再現される。

15時半には一日の作業を終了する。
田起こしすれば、水を引いてすぐにでも田植えができそうな田んぼに蘇る。(現実問題としては、塩の被害は受けているのでそう簡単ではないだろうが。ただ、見た目は綺麗になった。)

作業の終わり間際に、その田んぼの持ち主だという年配の女性が現れる。
ダンボールで何箱もの缶ジュースをふるまう。そして、ひと抱えものお菓子。

話を聞くと、見える範囲、この周りの山や田んぼは彼女の土地らしい。大地主の資産家だ。
おそらく、その日そこでボランティアで作業をしていた30人の中で、彼女よりも資産を持っている人はいないのではなかろうか。

家を潰され、住むところもなく困っている人を助けに来た。
ボランティアセンターで田んぼの瓦礫除去の仕事に割り振られ、何の疑問もなく丸1日汗を流した。
その1日で行ったのは最低限の住む場所を確保するとかという話ではなく、たくさんある資産の中の一部の田んぼを使えるようにすること、だった。

そして帰路につく。
ボランティアセンターでは、丸1日ともに汗を流した仲間達と別れる。「今日は気持ちよく作業ができました!ありがとうございます!」と言われ、笑顔で握手をした。

様々な場所から集まってきた人達が、一瞬だけ交差する出会いと別れ。
センターの受け付けは佐賀のNPO法人の方。
一緒に汗を流したのは、岐阜の女性や埼玉のあんちゃん、神奈川の同年輩のおっちゃん。(ごめん。僕より若いか。)

帰り道は海岸通りをしばらく走り、その後、高速へ。
カーラジオからは地元のFM放送が流れる。
民放なのだが、NHKのような雰囲気の放送だ。
「本日の市内各所の放射線測定数値放送」だとか「各避難所の現在の避難者収容人数」などを延々と放送している。

なんだか、いろんな想いが頭をよぎる。
出会った人、埋まっていたもの、大地主の女性、ボランティアの列の横を通過する際に目礼をする地元の車、団体や組織の仕組み。

良いとか悪い、好きとか嫌いでは片づけられない複雑な想い。
心地よいとも思うが、切なく哀しい想いもあり、さらには割り切れない思いをも複雑に絡み合う。
「ボランティアに行く」のに、自分の気持ちが爽快になることを、どこかで期待していたのかもしれない。

他人の役に立つというのは気持ちの良いことなはずだった。
しかし、複雑な思いが絡み合う現実の世界がそこにはあった。

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