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なぜ、中国は日本に嫌がらせをしてくるのだろうか?

先日の(2017年01月01日)読売新聞の記事によると「中国政府が日本の排他的経済水域(以下EEZ)の周辺などで海底地形の調査を行い、国際水路機関(本部・モナコ)の下部組織に対し、中国語による命名申請を2016年に活発化させていたことが明らかになった」らしい。

元記事:http://sp.yomiuri.co.jp/world/20161231-OYT1T50144.html




つまり、他国の領域に自分の国の名前をつけているわけだ。
これを嫌がらせと言わず、何と言うべきか?



これ以外にも、以前から中国は日本の沖ノ鳥島について「沖ノ鳥島は島ではなくEEZを認められない地形だ」と主張している。

沖ノ鳥島なんて、太平洋上にあって、日本海の向こう側の中国にはぜんぜん関係ないじゃん?
と、僕は思っていた。

なんで、言いがかりをつけてくるのだろう?と。


地図の向きを変えることで、見えてくること。

世界地図の東アジア部分を、中国を下にして見てみる。
日本人には見慣れない、地図がそこには現れる。

地図引用:http://www.aquanotes.com/asia/index.html
地図素材フリー(一部分を引用し、向きを変え国名を追記)



こうやって見てみると、確かに中国の海洋への出口は各国にふさがれている。

地図の左側を日本にふさがれ、台湾をはさんで、右側はフィリピンにふさがれている。
さらにフィリピンの隣には、マレーシアとベトナムにふさがれている。

日本や台湾、フィリピンが、重く、中国にのし掛かっている様に見えるのは錯覚だろうか?



物理的に船が通れる海域を考えてみると、台湾と沖縄周辺を通るか、フィリピンとベトナムの間を通るか、いずれかしかない。
ただ、フィリピンとベトナムの間を通っても、その先はマレーシアとインドネシアにふさがれている。



では、排他的経済水域(EEZ)を地図に重ねてみると、どんな地図になるのだろうか?

※ 排他的経済水域(EEZ)とは?



地図引用:http://redd.it/27fibu
「排他的経済水域を含めると、また違った視点で世界が見れる」より。



この地図には陸地が描かれていないので、普段見る地図とは、かなり違って見えるが、中国の周りを見てみると、完全に他国のEEZにふさがれてしまっているのがわかる。



上の地図とあらためて見比べてみる。
当然、陸地は船が通れないわけで、海洋部分に注目すると、さらに台湾と沖縄周辺の重要度が増すことがわかるだろう。



ところで、中国とはどんな国なのだろう?

ここで、中華人民共和国という国が、どうやってできたのかをみていきたい
(中国史に詳しい方は読み飛ばしてください。)



考古学的に確認されている、中国の最も古い王朝は、紀元前17世紀の「殷(いん)」だそうな。

その後、秦の始皇帝が現れ大陸を統一するも、わずか15年で滅びる。

のち、光武帝の後漢が現れるも、世は乱れ、三国志時代に突入していく。
この漢の時代は(前漢、後漢)今と同じように漢民族が大陸を支配していた時代だ。

今回のブログは中国史がテーマではないので詳しくは省略するが、中学の教科書で習った遣隋使とか遣唐使の時代を経て、元の時代にはモンゴル人に中国大陸が支配されたりしていた。



次に現れた王朝、清の時代に大陸を支配していたのは満州あたりを拠点としていた女真族だ。
(女真族とは、12世紀には金という国を作って宋に攻め込み、一時は中国の北半分を支配するものの、その後、モンゴル人に滅ぼされる。17世紀には後金が再結成され、明より独立した。)

ごく少数の女真族が圧倒的多数の漢民族を支配していた時代である。

女真族は漢民族を政治はもちろん、言論でも押さえつける。
女真族独特の辮髪(べんぱつ)と呼ばれる髪型などを漢民族にも強要する。
頭の後ろだけを長髪にして編みこんだ、いわゆる「ラーメンマンカット」です。(笑)

その後、イギリスとの2度の戦争に敗れ(アヘン戦争とアロー戦争)フランスとの清仏戦争に敗れ、日本との日清戦争に敗れて、清は衰退していく。

そこで出てきたのが、孫文という人。
漢民族である孫文が、中華民国をおこし、初代大統領に就任する。

袁世凱が裏切ったり、清朝では皇帝溥儀(ふぎ)が退位することなったりしているうちに、中華民国は分裂状態となる。
モンゴルやチベットが独立したのは、ちょうどこの時期です。



そしてヨーロッパでは、第一次世界大戦が勃発する。

この当時、日本はイギリスとの同盟関係にあった。
そのため、日本はこの同盟を口実に中華民国にあったドイツの基地を攻撃する。(ドイツは同盟国イギリスの敵国だ)

日本は第一次世界大戦の主戦場であるヨーロッパから遠く離れた地で、中国の利権を狙い無理やり参戦したのだった。

そして、第一次世界大戦の戦勝国となった日本は、中国大陸におけるドイツの権益を引き継ぎ、中華民国政府にも日本人顧問を採用させたりすることに成功する。
さらには、清朝最後の皇帝溥儀を担いで、満州国という傀儡政権を中国大陸に建国する。



日中戦争、太平洋戦争を経て、日本の敗戦。
中華民国は、棚ぼた式に日本の支配からは逃れることができたのだが、またまた、この国は内戦状態に陥る。



毛沢東の率いる共産党と蒋介石が率いる国民党は、日中戦争以前から戦っていたが、日中戦争が発生したため、一時休戦していた。
その休戦状態が、第二次世界大戦の終結後、内戦再開となったのだった。

結果、ソビエト連邦に後押しされていた共産党が勝利をおさめ、中華人民共和国が設立されたのは皆様のご存知の通りです。(国民党政権は台湾へ。)


長々と何が言いたいのか?(中国史の話はここまで)

大陸は何千年もの長い期間、群雄割拠が続き、様々な民族が支配し支配され、民族間で弾圧し弾圧されてきたということが言いたいのでした。

乱世に次ぐ乱世。
いわば、民族対民族の、戦いの歴史なんですね。
中国大陸の歴史は。



日本にも戦国時代はあったけど、長く徳川の江戸時代が続き、群雄割拠の戦乱状態とは、かなり違った歴史を歩んできました。

ましてや、日本の場合、民族間での滅ぼしあいとか、弾圧ということではなく、日本列島という閉鎖された土地の中で、大和民族内での覇権争いでしかなかった。

言い方を変えると、ひとつの王朝(天皇家)の元での派閥争いの歴史でしかなかったと言えるのではないだろうか?
そこには民族間の血で血を洗うような争いではなく、中国大陸に比べるといわば「内輪もめ」というレベルとも言えるかもしれない、と僕は思うのだ。

領民にとっては年貢の納め先が変わるだけで、敵対民族による弾圧があったわけではなかったのだから。



なので、国家としての考え方が、根本的に違うのも当たり前なのだと思うのです。



そして現代。
そんな長い戦乱の歴史の後にできた、中国大陸の統一国家が、漢民族による現在の中華人民共和国です。
これまでの歴史の通り、支配民族は他民族を弾圧していく。

漢民族の中華人民共和国は、中華民国時代に独立したチベットを侵略し併合する。(ダライラマはインドに亡命。)



さて、チベットの次はどこを狙うか?

北へ向かって、軍事大国であるロシアを苦労して攻略しても、そこにあるのは永久凍土のシベリアだ。
夏でも溶ける事のない分厚い凍土の下に資源はあるけれど、その開発には膨大な知恵と資金が必要になる。



では、西に向かうか?

そこにあるのは、砂漠の地。
古くから、シルクロードとして知られたルートですが、この地には果てしなく続く砂と土漠の通路があるだけ。(モンゴルさん失礼!)



そして手にしたチベットの先には、どんな土地があるのか?

そこには、ヒマラヤの壁がそびえ立つ。
遥かなる天然の要塞。(←つまり、行き止まり。)


つまり、主だった内陸の支配は、完了した。

四方に敵がいなくなった余力を、今後はどこに向けるのか?

それは、すなわち、海洋進出。


↑レゴの「海洋調査船」(笑)



冒頭で紹介した、二つの地図。

海洋を見てみると、サハリンから日本列島、南西諸島、琉球諸島の隣はすぐに台湾、そしてフィリピンまで、断続的に列島や島々が続いている。

海洋上のEEZは、びっしりとつながってる。



邪魔で邪魔で仕方がない。
この周辺の海には中国だけで独占できる海路がないのだから。
さらに言えば、他国の庭先(EEZ)を通らねば、どこにも行けないのだ!



これらの地図を見ていくと、尖閣諸島はただの無人島としての価値ではないことがはっきりとわかる。
さらには、この地域には海洋資源も豊富なのだが、長くなったので、今回はこの話は置いておく。 ^_^;

ある野党の党首が「無人島の尖閣諸島などは中国にくれてやればよい」と発言したことがあるが、彼はその重要性を認識していないのだろう。

そして、琉球独立運動に中国が積極的に力を注ぐ理由もわかる。



チベットの次は。。。



現実主義者の漢民族は、盗れるところから獲っていくだろう。

彼らは単なる嫌がらせをしている訳ではないのである。



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■参考資料
わかりやすい中国の歴史
http://www12.plala.or.jp/rekisi/tyuugokurekisi.html

キングダムから三国志まで】3分でわかる中国の歴史
http://rekijin.com/?p=9832

■参考動画
「逆さ地図から日本を見てある事に気付いた・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=2suyzuy7T3w&feature=share








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