Wed, 13 Oct 2004 01:28:28 +0900
人の命に値段などはつけられないけれども、明らかに人の命が粗末に扱われている地域があります。
彼らも「人を殺してはいけない」そんな常識は知っています。
しかし、なぜ「殺し、殺される」のでしょう?
憎しみにかられて?略奪のため?正義のため?
戦争はなぜ起きる?(永遠のテーマかもしれません。)
しかし、一つ言えるのは「ほとんどの正義は、誰かだけにとっての正義であり、ほかの誰かにとっては正義ではない」ということです。
アメリカの正義はイラクの人々の正義と一致しているのでしょうか?
イスラエルの正義はパレスチナの正義とは、ほとんど一致していない。
ロシアとチェチェンの問題ではどうでしょう?
「イラクは悪の枢軸である」という正義の考え方がある。
「クエート」はイスラムの教えに背く、怠惰な西洋文化に侵された元領土の土地、と考える正義もあります。
イスラム社会の盟主?として「ここはひとつ、懲らしめてやろう」とフセイン。
そこに出てきたのはイスラム社会の一員ではない部外者であるアメリカ。
その時、以前欧米列強から石油の権益をあらゆる手段で握られてきた記憶が蘇る。
アラブの問題に首を突っ込み、海からミサイルを飛ばし空から空爆をする。
巻き込まれる市民と多数の難民。
その後のこないだの戦争では、「大量破壊兵器を持っているから」という理由で今度は地上戦を挑んできたアメリカを中心とする国々。(日本を含む)
多くの一般市民が巻き添えになり、そこには憎しみが生まれ、憎しみが憎しみを生んでいく。
テロリストはそのほとんどが貧困層から生まれています。
800円で手榴弾、1万円出せば中古の自動小銃が買える国はたくさんあります。
平均年収が5万円に満たない国もたくさんあります。
5個で4000円の手榴弾を体に巻きつけ、テロを起こすと、組織からは遺族たちに数年分の年収に匹敵する金額が支払われる、としたら。
日本では子供を一人育てるのに4000万円くらいかかるとか。
成人するまでの20年で割ったとすると、一年あたり200万円です。
日本の1年分の子供にかかる金額は平均年収5万円の国の40年分に匹敵します。
(別に僕も含めた皆さんが偉いわけではありません。たまたまこの国にいるだけです。)
たまたま命の値段の安い国に生まれ、ほとんど教育もない中で育ち、肉親を不幸で理不尽な出来事で亡くした者が、強烈なイデオロギーに出会った時、視野狭窄になってしまうことをあなたは否定できるでしょうか?
彼がそこに強烈な正義を見出すことを否定できるでしょうか?
戦争や内戦、テロやクーデターのその渦中にいる人達は「自らの正義」を信じて、その行為を行っていることが、多くの場合だと思います。
「世界は一家、人類は皆兄弟」などという標語では絶対に平和にはなりません。
インターネットで自らの殺戮を公開するテロリスト。
私はテロを肯定する気は全くありません。
ただ単に「正義は何か?悪とは何か?」では、テロは決してなくならないということを言っているのです。
テロは憎むべき行為であり、絶対に屈するべきでもありません。
これらの話がまともに議論もされないこの国が、国連の常任理事国入りをして、いったい何ができるのでしょうか?