中国人民元

 


香港上海銀行では、2007年の秋に突然、最低預金額を10倍にするという措置が
実施されて、私のような貧乏旅行者の口座からは、毎月、口座維持手数料(150元)
が差し引かれることになりました。
ちょうど、インターネットバンクも口座がロックされており、電話で話をしても
にっちもさっちもいかないことから、深センまでおもむいたのでした。
(電話では口座のロック解除はできないとのこと。「パスポートを持ってこい」とのことでした。)

紆余曲折があったものの、結果から言うと、香港上海銀行の口座は解約。
中国銀行に、新たに口座を開設してきたのでした。

中国銀行の口座はパスポート一つで簡単に開設可能でした。(2008/10)
香港上海銀行での口座開設では、英語で書かれた住所が証明できる書類がないと
駄目、ということで、わざわざ日本から英文の残高証明書(住所入り)を作成し
提示したという経緯がありましたが、中国銀行はうるさいことは一切なし。
今回はあらかじめ、海外の銀行からのステートメント(住所入り)を持ってきたの
ですが、見せろと言われることもなく口座開設が完了。
このあたりの手順は随時変更されると思いますので、上記を保証するものではありません。
また、担当者によっても対応が違ったりするのが中国品質?!
もちろん、支店によっても違うでしょう。
(中国銀行はエリアによって経営が分かれており、同じ中国銀行グループであっても、相互に同じ通帳での入金などはできない仕組みとなっているようです。インターネットバンクもトップページは一緒ですが実際の操作画面はそれぞれのグループに分かれています。)

さて、いくつか香港上海銀行と中国銀行の比較を。
どちらも、香港の発券銀行です。(日本の発券銀行は日本銀行ですね。)
資本は中国銀行は文字通り中国資本ですが、香港上海銀行はイギリス資本です。
香港上海銀行と言うよりもHSBCと言った方がわかりやすいかな?

中国銀行は人民向け?の趣が強いのに対して、香港上海銀行は金持ち投資家向けの
銀行です。
中国銀行のテレフォンバンキングやインターネットバンキングは基本的に中国語です。
インターネットバンキングのトップページは英語もありますが。。。
HSBCはもちろん英語。

また、最低預金額も香港上海銀行は口座全体で約150万円程度は預金しておかないと
口座維持手数料がかかるのですが、中国銀行は1元からOK。
HSBCはステートメントが定期的に送られてきますが、中国銀行では庶民的に通帳が
発行されます。
(今年は中国オリンピックの年だったので通帳の表紙はオリンピックの絵柄でした。)

営業時間も香港上海銀行はブランチによって土曜日営業しているところもあります
が、基本的にお休み。
中国銀行では私の行ったブランチでは土曜日はもちろん、日曜日も営業していました。
また、中国銀行はもともと地元庶民向けのサービスと言うこともあり、ATMカードも
その場で発行。(地方のブランチだと数日かかる場所もあるそうです。)
24h365dで使用できるので便利。
HSBCではキャッシュカードではなくデビットカードが発行されます。

ただし、海外から送金した外貨を中国人民元の口座へ移せるのはHSBCだけです。
中国銀行では窓口での入金では人民元口座への外貨からの入金は可能ですが、海外からの送金ではできません。
めんどーですなー。

さて、口座開設の手順を解説。
受付の人やうろうろしながらお客様をさばいているいわゆる「お客様係」の
人を捉まえて「口座開設をしたい」と伝えると用紙をくれます。
(私は中国語は話せません。英語も学業では最後まで偏差値45以上は取った
 ことがありません。外国人の多そうな大都市の大きなブランチに行けば
 片言の英語が通じます。ブロークンイングリッシュでも口座開設可能です。)

あとは英語と漢字を見ながら記入していく。
わからないところは聞けば教えてくれる。(なるたけ暇そうな時間に行く方が良い)
先に順番待ちカードを取っておいた方が良いです。
混んでいる時間帯だと50人待ち、なんていうこともあるようですので。

さて、窓口は2種類あります。現金を扱う窓口と現金を取り扱わない窓口。
口座開設は現金を扱う窓口になります。
窓口で申込書を渡すとパスポートを見せろ、と言われます。
窓口の受け渡しはすべてガラス越しに行い、小さな窓からやり取りします。
パスポートはコピーを取ってくるのでそこにサインをする。
その他、口座開設完了まで、何カ所もサインを求められます。



サインは同じものが書けるように練習しておきましょう。
私は以前、香港上海銀行の口座を動かすのにサイン入りの書類が必要で、
郵送したのですがサインが違うと返送されてしまったことがあります。
その後、何度かのやり取りを経て、ようやく同じサインができた次第で。

いくら預金するのか?と聞かれ、日本円の現金を渡す。
中国人民元で預金するのか?日本円のままか?など聞かれますのでご希望を
お伝えくださいませ。
(わざわざ中国に日本円で預金する人はいないと思うが。)

口座開設は簡単に済みます。
ハイ終わり。どうも。って言われても、簡単にバイバイしちゃ駄目です。
ATMカードをください、とか、定期預金を開設したい、とか、インターネット
バンクを開設したいとか、必要なことはすべてこちらから指示しないと、
気を利かせてくれるなんていうことはないと思ってください。
一度、窓口を離れると、また延々と順番待ちになってしまいます。

ATMの暗証番号は日本と違い6桁です。
インターネットバンクなどいくつかの暗証番号を聞かれますので、それぞれ
をきちんと覚えておきましょう。
自信の無い方は統一した一つの暗証番号にしてしまった方が良いかもしれませんね。
その辺は、自己責任で。

人民元は今なお、ドルに固定されており、海外への持ち出しも制限がありますが、
今後いつの日か、自由な為替となる日が来ることでしょう。
その日に円との換算レートがいくらになっているかを楽しみにしましょう。
ま、逆にあーゆー国(自国民を戦車で轢き殺したりする国)ですから、外国人の
所有する銀行口座を凍結!とか、外国人の所有する人民元の無効化!なんていう
暴挙も何でもありの国ですので、期待ばかりしていると痛い目を見るかもしれません。

ま、買った瞬間に期待値が半額となってしまう、日本の宝くじよりはかなりまし
だと思いますが。